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MAツールの正しい選び方と比較すべきポイント【専門コンサルタントが解説】

MAツールの正しい選び方と比較すべきポイント【専門コンサルタントが解説】

著者:アスプラ編集部
マーケティングオートメーションにまつわる情報を専門的な知識、経験を活かして解説していきます。

▼この記事でわかる!

  • MAツールの種類でかわる要素

  • MA導入の効果を事例で解説

  • MAツールの比較ポイント

MAツールの種類(btob向け/btoc向け)

BtoB向けのMAツール

まず、MAツールは”BtoB向け”と”BtoC向け”で大きく違いがあります。BtoB向けのMAツールで有名なのは「Marketo(マルケト)」、「Pardot(パードット)」、あとはオープンソースのものでいうと、「Mautic(モーティック)」というものが最近は注目されています。

”BtoB向けのエンタープライズ”のMAツールでいうと、今挙げたものの他、オラクル社が提供している「Oracle Eloqua(オラクルエロクア。以下”Eloqua”。)」などがあります。

BtoC向けのMAツール

次はBtoC向けのMAツールについてです。先ほど触れたようにセールスフォース・ドットコム社のBtoB向けのMAはPardotですが、まったく別の製品としてBtoC向けのMAツールである「MarketingCloud」も存在しています。他にも、マルケトやEloquaもBtoBとBtoC両方のシーンで使えると説明されていますね。

あとは国産のMAツールが意外と多く、例えば、少し前に動画配信サイトで有名タレントがPRしていた、「b→dash(ビーダッシュ。株式会社フロムスクラッチ提供。)」は耳にしたことがあるのではないでしょうか。その他、(株式会社プラスアルファ・コンサルティング(「カスタマーリングス」を提供)、株式会社アクティブコア(「アクティブコアマーケティングクラウド」を提供)などがBtoC向けMAツールを取り扱う企業として挙げられます。

BtoC向けのMAツールの種類も非常に幅広く、“ECで利用するもの”とそうでないものという分類方法もあります。

MAツールは価格帯にも大きな差がある

”BtoB向け”と”BtoC向け”という分類、「ECサイトで利用するか否かの分類の他、あとは「価格帯」で大きく分類することもできます。

MAツールは月々数万円で使えるもの、月々数十万円ほどかかるもの、数百万円以上かかるもの、と価格帯に大きく差が出ます。運用コストを計画する段階では、避けて通れない要素のひとつですね。

専門家のマメ知識「MAツールを選ぶ上でチェックするべき機能」

BtoB、特にウェブを使って法人営業を効率化するような機能が充実しているものか、あるいは、BtoCの中でもECサイトで利用する場合はコンバージョンに貢献する機能が搭載されているものか、または同じBtoCでも保険、自動車や住宅のように、対面営業に持ち込むための機能が充実しているものかなど、 自社に合ったMAツールを選択するためには、各MAツールの特徴を理解しておく必要があります。

MAツールの主な機能(btob向け/btoc向け)

BtoB向けMAツールの主な機能

  • リスト管理機能
  • メール配信機能
  • スコアリング機能
  • ウェブフォーム作成機能
  • 資料管理機能
  • シナリオ機能
  • スコアリング機能
  • トラッキング機能

BtoB向けの主な機能でいうと、まずリスト管理の機能、メール配信の機能、あとは「どのページを見たか」や「どういうアクションをしたか」で自動的に点数を付けるスコアリング機能、ユーザーが情報を送信できるフォームを作成する機能、資料をアップロードしておく機能などが挙げられます。

また、MA(マーケティングオートメーション)は、シナリオ機能やトラッキング機能などが主な機能になります。

そのほか、BtoB向けMAでは、SFA(セールスフォースオートメーション)との連携機能を有しているものが多いです。SFAは営業管理の仕組みです。MAとSFAのデータ管理を自動連携機能を使いこなすと、非常に便利になります。

各機能がどのようなものかについては以下の記事で詳しく解説しています。

BtoC向けMAツールの主な機能

  • リスト管理機能
  • メール配信機能
  • スコアリング機能
  • ウェブフォーム作成機能
  • 資料管理機能
  • シナリオ機能
  • スコアリング機能
  • トラッキング機能
  • ダッシュボード・レポート機能
  • ECサイトのデータ管理機能
  • 外部連携機能

BtoC向けのMAツールの主な機能は、先ほどBtoB向けの項目紹介した機能に加え、さらに幅が広がります。特にECサイト向けの場合、ECサイトのデータベースや、通販会社が持っている独自の基幹データベースなどがあります(販売台帳など)。それらのデータと自動連携するという機能が非常に大事になるため、EC向けMAツールは、こういった「外部連携機能」が高く評価されます。

他には、例えばダッシュボードやレポートを自由に作成できる点をウリにしているMAツールもあります。

MAツール選びで比較すべきポイント

MAツール選びのポイント①「どんな機能が搭載されているか?」

これは記事の前半でお話した内容の要約となりますが、自社のビジネスモデルに合わせて必要な機能を理解し、その機能が搭載されているMAツールを選択することが重要です。

例えば、BtoBの効率化を図りたいのに、BtoCを取り扱うカスタマーリングスを選んでしまうようなことがあっては大変です。極端な例ではありますが、違いを理解しないままに各MAツールを比較検討するのは難しいでしょう。

また、機能面で言うと当然ながら値段が高い方が充実した内容になっています。「出来ることは多い方がいい」とはいえ、月額費用が大きく変わってくるため本当に必要な機能は何か? を精査するべきです。

MAツール選びのポイント②「どんなサポートが受けられるか?」

ツール自体だけでなく、ツールにまつわる“サポート体制”がどうなっているかも比較しておくべきポイントです。

例えばPardotの場合、日本に進出する際に「このままでは絶対売れない」と考えた方が、導入支援を請け負う会社を立ち上げています。中にはSalesforce Venturesから出資を受けている会社もあります。(私はその会社はグループ会社のようなものだと考えています。)そういった経緯から、サポート体制がベンダーとは別会社になりますが、Pardotは特に充実している印象があります。

MAツール選びのポイント③「導入後のサポートにも注目!」

一口にサポート体制といっても、“どの段階”で“何のサポート”を受けられるかで意味合いが違ってきます。例えば、ベンダーのサポートチームが何人いるか、勉強会を定期的にやっているか、あとは実際に運用をお任せできるようなパートナーがいるツールなのか? こういった点がMAツールを比較するポイントになります。

例えば、「初期段階のみのサポート」であれば導入のトレーニングや、初期設定の部分を指します。その場合、実際に導入して運用していく段階になったら、利用企業および運用担当者の方が「自分たちで運用の勉強しないといけない」ということになります。

そのため、運用に関連した勉強会を定期的にやっているのか、そもそも何をサポートしてくれるのか、といった点まで事前に確認しておくと安心です。

MAツール選びのポイント④「国産か外資系かもチェックポイント」

「国産か外資系か」という点もツール選びのポイントになります。

例えば、外資系のMAツールの場合は「本国に仕様を聞かないと分からない」というケースも少なくないため、こちらの問い合わせに対する回答に時間がかかることもあります。そのため、そういった状況が許せるほど運用に余裕が持てるのかどうか、という視点も必要になってきますね。

逆に「海外拠点があり、そちらでも使いたい」という事情があれば、PardotやMarketoをはじめとする外資系のMAツールの方が使い勝手が良いというケースもあります。

専門家のマメ知識「MAツールは“とりあえず安価なもの”という選び方が難しい」

先日、あるMAのセミナーに行った際に、最低金額が月に数千円という破格のツールが紹介されていました。初めてのMA運用で検討する上では、とっつきやすい印象があると思います。とはいえ、細かくみていくとやはり“そのツールではできないこと”が見えてきます。 この点は丁寧に確認した上で比較検討するべきです。それができないことによって、本来MAツールを導入する目的を果たせないようであれば、廉価でも魅力的とはいえないでしょう。

MAツールによる効果は?ケース別の導入事例で解説

MAツールの主な効果は「商談の増加」

まず、MAツールにおける効果や結果とは何なのか、について簡単にお話しします。

あるIT企業が展示会フォローにMAツールを使ったところ、受注率が2倍になったという事例があります。

単価が300〜400万ほどする製品を扱う企業で、フォローするリードの質が同じにも関わらず「商談が増えた」結果として受注率が2倍になっている、つまり、「商談の数が増えたこと」がMAツールがもたらす一つの大きな効果と言えます。

基本的には、この「商談が増える」ことがMA導入における最大の効果になります。

ただ、MA(マーケティングオートメーション)という名称ではあるものの、すべての業務が自動化できるわけではありません。あくまで、今商談になりそうな見込客をあぶりだすことがMAツールの役割です。それに対して、インサイドセールスを行う(電話をかける)といったアクションはMA導入企業が実施する必要があります。インサイドセールスの体制が築けないとMAツールの効果を出すことは難しいのです。

そのため、MA導入企業や運用を代行する企業が、「MAツールを使って商談を増やすんだ」という点を意識して体制を築き、行動しないと目に見えた効果は出にくいのです。

MA導入事例①「展示会出展者に向けた配信で成功」

では、実際にキャンペーンメール(導入後はじめてのメール配信)の実績を出した事例を数社ご紹介します。 まず、2月にビックサイトで行われた展示会の出展者向けの配信です。来場者として展示会に訪問し、ビジネスパートナーを探すために出展者と名刺交換をしました。配信母数が少ないにも関わらず、非常に大きな結果が出ています。

通常は展示会にブースを出展し、ブース来場者にメール配信を行うのですが、この事例はそれとは逆パターンです。いわゆる逆営業のメール配信で、商談見込客発掘を試みました。

名刺交換数(追加された見込み客=メール配信先)が13件、そのうち10社がメールを開封して、約76%の人が目を通したということになります。さらに資料ダウンロードが46%……つまり、配信先の半分の企業が資料をダウンロードしてくれたということになります。

ちなみに、IBM社の調査によると、2018年の法人向けサービスのメルマガの平均開封率は18.8%です。配信の母数が少ないとはいえ、非常に高い開封率だということがお分かりいただけるかと思います。

そもそも、展示会で自社のブースに来た方からメールが届いたからといって、通常は資料をダウンロードなどしません。なぜならば、個人情報を入力しないと資料がダウンロードできない仕掛けになっていたからです。つまり資料をダウンロードした方は、個人情報の入力の手間をかけてでも情報を得たいと考えており、商談見込客だと言えるのです。

展示会に関連して、自社が出展した場合についても考えてみましょう。

実は展示会に出展し、期間中に商談を発掘するよりも、その後のフォローアップ施策(MAを活用したメール配信や電話など)の方が商談発掘に関して言えばより重要です。
しかしながら、実際には展示会後のフォローアップ施策を戦略的に取り組まない企業が多いのが実態です。それでは「展示会を有効活用しきれていない」と言わざるを得ません。そこに対するソリューションの1つとしてMAツールがある、と考えれば利用シーンが想像しやすいのではないでしょうか。

MA導入事例②「想像以上の反応と新たな課題」

次に、愛知県の中小企業の事例をご紹介します。技術力に定評がある会社でありながら、CTO(技術責任者)の方は高齢のため顧客へメールを送るという習慣がありませんでした。しかし、MA導入をきっかけに「年末のあいさつをCTOの名義で送る」という提案を行いました。そして、実施した際の反響が大きかったことで多くの商談化に繋がったケースです。

その方が技術者としての評価が高かったこともありますが、今まで一度もメールを送ったことが無かったので、開封した方々から「どうしたの?」と驚きの電話がかかってくることで、商談のきっかけが一気に増えた結果となりました。

▲年末のご挨拶キャンペーンメール(配信先:現在取引なしの顧客)
▲年末のご挨拶キャンペーンメール(配信先:現在取引中の顧客)

1回目の配信の反響が大きかったことから、年が明けた2月に再度メール配信を実施するに至りました。しかし、2回目の配信では1つの問題が可視化されることになります。

メール配信の名義となっていたCTOから「反応が良くて有意義なことは体感したが、自分の元にかかってくる電話の対応は誰がフォローしてくれるのか?」という相談があり、反響への対応に問題が出ていることが分かりました。

MAを導入する際、本来は一か月目で、営業プロセスの整理、案件管理方法の整理・棚卸しを経て、顧客データのクレンジングをしておかないといけません。つまり、単なる飲み会のお誘いの連絡ばかりの方は見込客に含まれないため、そういったリストは先にクレンジングして、MAの配信リストから除外しておく必要があります。

加えて、MAツールの運用チームに営業経験者がいないと見落としがちになるのは、営業活動の重要性です。運用チームが営業未経験者ばかりの場合、運用設計と運用業務のところに意識が集中しやすくなります。しかし、MA運用において実際に一番重要なのは、見込客をフォローアップする“営業活動”です。

見込客をクロージングするところまでが大事なので、見込客の発掘(MAツール)とインサイドセールスといった営業活動の連携をきちんと事前に考えておくことが成功のポイントともいえます。

専門家のマメ知識「MA運用チームと営業チームの連携が成功のポイント」

MA導入の際は、方針や目的を営業部門と共有することと、自社サイトの整備も行っておくことが大切です。

多くの企業は発注をする前に、「この会社で大丈夫か?」を確認するために企業サイトを訪問します。そのため、会社案内や会社概要のページの内容は非常に大事になりますし、“それらに目を通してくれているか?”もトラッキングしておく必要がある、ということになります。営業情報の最新化も忘れてはいけません。

愛知県の中小企業の事例でいうと、メール配信で反響を得た時点で一番必要だったのはインサイドセールス体制でした。

つまり、自分たちで電話営業をかけて、アポイントをどのように組んで、訪問資料なども準備して、という業務のリソースが不足している状況だったのです。もちろん、メールで配信した内容とそれらの営業活動をリンクする必要もあります。

そのため、MAツールで商談見込客をたくさん発掘して「成果が出た!」とMA運用担当者だけが実感しても、営業担当者の商談件数が増えていなかったり、受注件数が増えていなければ、その上司や経営者の立場からすると費用対効果が良いとは言えなくなってしまうのです。

MAツール選びを失敗しない為に最低限守りたい2つのポイント

ツールベンダーを盲信しない

逆説的な話になりますが、「ツールベンダーにあえて相談しない」という方法も視野にいれるべきです。ツールベンダーに問い合わせないとツールは選べませんが、ツールベンダーに問い合わせをすると「自社が提供するツールが一番いい」と説明するのは当然だからです。
ツールベンダーが教えてくれる情報や比較のベースはあくまで“自社ツール”であることを、こちら側が意識して情報を精査しないといけません。

そのため、色々なツールの取り扱いがあるマルチベンダー形式の代理店のような会社へ相談することを強くお薦めします。
代理店に相談し、代理店からMAツールを購入したとしても、MAツール利用料はベンダーから購入する場合と替わりません。

導入の目的を固めてからMAツールを選ぶべき

また、MAツール導入の目的を決めてからツールを選ぶ、というプロセスが大切です。

定期的に情報を配信したいだけで、ユーザーのトラッキング情報は必要ない、ということであればメール配信ツールで十分ですし、むしろMAツールを持て余す状況に陥ってしまいます。

「何を実現したいかを先に決める」こと、「ベンダーのいうことを鵜呑みにしない」こと、この2点はツール選びで失敗しないためにしっかり注意していただきたいポイントです。